美容室専門のコンサルタント
気づけば独立して早5年間が経ちました。
私は表参道でサロン運営をしておりました。
順調に売上のトップラインも伸び、店舗展開も視野に見えていたところで新型コロナウィルスの流行。緊急事態宣言を受けて1か月近く休業することになりました。
そんな中で知り合いのオーナーさんと経営について語っていたところ、是非うちの社外取締役になっていただけないかとお誘いを受けました。
このままの経営方針ではいけないと危惧されていたオーナーさんは、休業をきっかけに思い切って私に経営コンサルタントとして依頼したのです。
私は自社を経営するかのように必死でコンサルティングに努めました。その結果、前年比を超える売上を記録。私は店舗を拡大することより、全国各地の美容室のお手伝いをする事業を始めることを決意し、新規事業としてスタートしました。
独立後に決めた一つのゴール
私が独立を決めた際に決めたことがあります。それはサロンワークから離れることです。
いつまでも現場にいてしまってはマーケティングやブランディングなど、本来経営者がやるべき仕事に専念できないと思ったからです。
強い組織をつくることを目標に据え、大きな覚悟を持っての船出となりました。
人を育てることの難しさ
プレーヤーとしてのキャリアは独立と同時になくなりましたので、スタッフの育成に明け暮れる日々が続きました。
自分で売上をつくるほうがよっぽど簡単でしたし、何度も何度も挫折しかけました。
正直、赤字続きで倒産を覚悟した時期もありました。
しかし、諦めずにトライ&エラーを繰り返し、どうにか自分がサロンワークをしなくてもお店が維持できるようになり、やがて表参道にある小規模サロンで常に売上ランキングがトップ10入りするほど成長しました。
経営に専念できるようになって変わったこと
私がマーケティングに専念したことにより、売上のトップラインはどんどん伸びました。
現場に出て、一生懸命働く姿を見せることでスタッフのやる気も高めることも大切だと思われるかもしれませんが、そもそも経営者と現場のスタッフでは仕事の内容が異なります。しかし美容業界ではいまだに経営者が現場にい続けてしまい、組織の成長を止めてしまっているケースが目立ちます。
現場から離れたことで、スタッフも成長しました。視野が広がり、これからどんどん新しいことに挑戦したいと思う意欲も湧いてきました。経営に専念できる状態になったことはたくさんのプラス要因をもたらすことが分かりました。
事業展開か、店舗展開か
サロン運営も軌道に乗ってきたところで、私は次の展開をどうしようか考えました。
予約がかなり取りにくくなってしまっていたので、店舗を増やすか移転拡張かを悩んでいましたが、もう一つの選択肢として当時はまだ前例の少なかった託児施設付きのトータルビューティーサロンへの事業展開です。
もともと、美容室が美容業だけを行うという価値観をなくしたいと考えており、新しい形態のサロンづくりにチャレンジしてみたい気持ちが強くなりました。
サロン売却を決意、コンサルティング業務に専念
事業展開を諸事情により延期していた時に、冒頭に述べたようなコンサルティング事業を始めるきっかけに出会いました。
もうサロンは自分がいなくても安定して機能する仕組みができているし、いっそのこと従業員にサロンをバイアウトして完全に任せてしまおうと決断しました。
プレイヤーとして育てた従業員を、次は経営者として育成しなければなりません。
初めは共同経営という形でスタートしましたが、今ではもう関わる必要がなくなりました。嬉しいような寂しいような気持になりますが、プレイヤーも経営者も育成できた経験はとても大きな財産になっております。少し異質な経歴を辿ったからこそ、全国各地のサロンのコンサルティングをし、お役に立つことが自分の使命だと思っています。